竜馬がゆく
坂本龍馬についての本は何冊か読んでいるし、龍馬は幕末維新史の
有名人の中でも尊敬する人のひとりである。
坂本龍馬と云えばこの司馬遼太郎の「竜馬がゆく」が一番有名な本であろう。
この本のお陰で龍馬は維新史の中でも愛され有名になったとも訊いている。
そのべた中のべた本である本書をいままで読んでこなかったのは龍馬ファンと
しては恥じ入るべきなのかもしれないが、ただいま読書中であり6巻目の半ばまで
進んだ。内容的にはほとんど知っていることばかりではあるが、司馬遼太郎の創作部分も
含めやはり魅力的である。結末もわかっているし、歴史的にこう進んでいくのであろう
事は百も承知であるが、やはり幕末は面白い。名もなき人々の生きる姿もこの時代に
生きた日本人のありようも今の日本人とは全然違うのだろうと改めて考えさせられる。
文字にしたらたったの数行で多くのひとが命をおとす。
なんと多くの人生が瞬間に燃え尽きるのだろう。
よくこの時代に生きていたらどのような行動をとっていただろうと問われる。
現代の人間からの視点であれこれ考えても結論はでない。
その時の立場によっても生き方、行動の仕方は変わっていくだろう。
善とはなにか。悪とはなんなのだろう。
法や規則を犯せば悪なのか。
正義とは不正義とは・・・。
当たり前なことが当たり前として行われないことに苛立ち、
当たり前はひとによって異なることも知りながら、日々生きていく。
自分を制御できないのに、他人を制御したいと考える。
傲慢以外の何物でもない。
そんな傲慢さを排除したいと思いながらも。瞬間的に傲慢さが
表に表出してしまうのがヒトである。
竜馬がゆくを読みながら、色々なことに思いを巡らし
この住みづらい現代に今日も生きている。
あと2巻と半分。龍馬の短い人生を堪能しよう。
まだまだ知らない世界が待っている。